2016年7月7日木曜日

如才の弁明(1)

私が変人であると主張する者がいる。実際、先日ある東大の友人と話をしたが、彼がその一人だった。

このような見解を前にして、一度「私よりも明らかに変な者がいるではないか。例えば、最新号の某キャンパスマガジンにはこれこれこういう記事があり、このような奇行をする東大生がいることが分かる。」と述べたことがあった。しかし、この方法による反論は有効ではないことがわかっている。「確かに君が彼らより変でないことは認めるが、彼らは大学全体でもトップクラスに変な集まりである。君が変であることに変わりはない」という具合に返されるのである。更には、「持っている変人基準までもが変」ということにされ、逆に私が変人であるという主張の根拠にされてしまう。
これならまだましな方で、変人の例として様々な友人を持ち出した暁には「類は友を呼ぶ」「朱に交われば赤くなる」と言わんばかりに「そのような変人ばかりの交友関係を持っているという事実が、君の変人さを示唆するものである」といった主張をされる始末である。大学生にもなると子供だましの詭弁は通用しないのだ。(ここで私が用いた詭弁は「論理のすりかえ」に分類される。) 

そこで、ここでは私が変人であるという主張に真正面から異議を唱えることにする。私が変人だというのは全くの誤解である。私はそんな優れた、あるいは特殊な者ではない。私はもっと平凡でありふれた存在だ。このことを分かっていただくため(*1)、自らの行動を弁明する記事の執筆を決意した次第である。
これから、私の「変人説」の根拠として代表的なもの2/3ダース(*2)を挙げ、その行動の背景を説明していく。この記事は前編として前半の4つ(つまり1/3ダース)を扱うこととする。なお、私のことを既に常人だとお考えの多くの一般的な方にとって、この記事を読むのは時間の無駄であることを断っておく(*3)。


1. 日本語で挨拶しない日がある。
単に、その日は日本語に飽きているだけである。飽きてはいても日本語くらいしかまともにしゃべれないため、挨拶以外は渋々ほぼ日本語で話している。もっと他の言語が上達したならば、この習慣を推し進めて気まぐれで話す言語を変えるつもりだ。
速やかに返事をしなければ不自然になってしまう会話と異なり、書き言葉なら考える時間がとれる。ゆえに、ネットを介してメッセージを送り合う際は英語・漢文・古文・モールス信号などでコミュニケーションを行うことも多い。しかしこれができる相手が限られてしまうのは残念である。大抵の場合異言語の導入を突発的に行ってしまうため、突然の出来事に戸惑いを覚えるのだろうか。相手によっては、異言語を徐々に織り交ぜていくよう心がけたい。

2. しばしば、数式がデザインされたTシャツを着ている。
数式は簡潔な表記の中に多くの意味が込められていてCOOLだと思う。或る人には「お前よくそれで渋谷歩けるな」とまで言われたが、もし客観的に見てCOOLでないならそれは私のファッションセンスが悪いだけである。一応述べておくが、無論「ファッションセンスがない」と「変人である」は異なる概念である。

3. ある日の自己紹介で「人間という生き物を19年間やらせていただいております」と述べた。
一見自明だが、自分でも時々不安になることだ。自己紹介で述べる全ての前提になるだけに、誤解の余地がないよう念には念を入れてはっきり自分の見解を表明しておいた。

4. 「東京大学キムワイプ卓球会」というサークルに入っている。
このサークルは「理系に広く知られているキムワイプ(*4)で卓球を行うことで、分野を越えた人材の交流を図る」という理念のもと設立された、大変まともなサークルである。要はサークル活動を通して人脈作りを行っているのであり、「意識が高い」と言われる理由はあっても「変人」と言われる理由はない。よって、所属サークルをもって私を変人とする指摘は全く的外れである。

いかがだっただろうか。後編では更に強力な説明を行うつもりであり、期待していてほしい。(続く)


(*1)今までこの手の私の主張を人に理解されたためしがないが、それは私の話が下手だったからと推測される。内容としては全く難しくない話であるため、記事にすれば他人にも容易に理解されることだろうと考えている。
(*2)思い出せたのが2/3ダースだっただけで、この2/3という数に意味はない。根拠はまだあるかもしれないが、大意に影響はないだろう。仮に全く変なところがない人がいたとして、その方が変ではないか。だから今回の私の説明に納得できない部分が多少あったところで、私は変人だということにならない。それでも何か意見があるようなら、コメントで受け付けるつもりだ。
(*3)せっかく記事を書いてもここで読者の大半を失ってしまうことになるのは不本意だが、致し方ない。この文は後で付け足したものだが、「あまりにも読者層を絞ってしまった。もっと読者を選ばないテーマで書くべきだった」と後悔している。
(*4)キムワイプとは、ビーカー等実験用具を拭くときに使われる紙の製品である。キムワイプは何かを拭く性能に優れており、家庭にも備えておくよう勧めておく。いうまでもなく、鑑賞用としても有用である。

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